【急脈】骨盤とホルモンバランスを整える要のツボ

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急脈(きゅうみゃく)とは
急脈は、足の少陽胆経に属する経穴で、恥骨のやや外側、上前腸骨棘と恥骨結合の中間あたりに位置している。
「急」は“要所”や“速やかさ”を、「脈」は気血の流れを意味し、衝脈との交会部でもある特殊な経穴として知られている。
下腹部や骨盤内の巡りと関係し、婦人科系・泌尿器系の調整にも広く活用されてきたツボである。
効果と応用
急脈は、下腹部の張りや違和感、月経不順、排尿トラブルなどに対して使われることが多い。
衝脈と胆経が交わる要所であるため、ホルモンバランスや生殖機能の調整、骨盤内臓器の働きの安定を目的とするケースもある。
また、感情の乱れや不安感が腹部に影響しているような症状に対しても応用されることがある。
主な効果
急脈の刺激は、骨盤内の血流促進や気の巡りの調整に有効とされている。
特に、月経痛やPMS、冷えを伴う婦人科症状に対して効果的であり、女性の体質改善の一助として重宝される。
また、男性の場合でも下腹部の冷えや頻尿、性的エネルギーの低下などに関わる不調のサポートに使われる。
注意点
恥骨や鼠径部に近くデリケートな部位であるため、セルフケアでは強い圧や無理な刺激は避けるのが基本。
皮膚が薄く神経や血管が密集しているため、違和感が出た場合はすぐに中止すること。
刺激が難しいときは、腹部全体の温熱ケアや骨盤周囲のストレッチを併用することで、間接的に作用を引き出す方法も有効。
日常生活での活用法
入浴後や就寝前に、下腹部〜鼠径部を手のひらでじんわり温めるように意識するだけでも効果的。
また、骨盤を立てるように意識しながら座ることで、自然と急脈周辺が緩みやすくなる。
ヨガやピラティスなどの骨盤底筋エクササイズと組み合わせると、体の内側から温まりやすくなる。
現代医学からの評価
急脈の部位は、鼠径靭帯や外腹斜筋、腹直筋下部などと関係し、骨盤内の血流や神経の流れに関与するゾーンでもある。
婦人科・泌尿器領域では、骨盤内の冷えやうっ血が症状悪化の要因となることがあるため、このエリアへのケアは非常に理にかなっている。
また、精神的ストレスと腹部の緊張の関連性を考慮すると、心身両面のバランスを整えるポイントとして再評価されているツボでもある。