【清冷淵】ひじの外側から腕の冷えや痛みを鎮めるツボ

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清冷淵(せいれいえん)とは
清冷淵は、手の少陽三焦経に属する経穴で、肘の外側、肘関節を曲げたときにできる外側のくぼみのすぐ下、上腕と前腕の境界付近に位置します。
「清冷」は冷えや痛みを鎮めること、「淵」は深いくぼみを意味し、清冷淵とは、冷えや腫れを深部から取り去る作用を持つくぼみのツボとしてその名が付けられました。
このツボは、三焦経が肘から前腕へと流れる要所にあたり、腕や肘の痛み、熱感、こわばりなどに対応する調整点として重要視されています。
効果と応用
清冷淵は、肘の痛みや腫れ、前腕のこわばり、腕の疲労、テニス肘、肘関節の動作制限などに対して使われることが多いツボです。
とくに、外的な負担や冷えによって肘関節周囲に熱感・痛み・むくみがあるときに、気血の流れを調整し、炎症やこわばりを鎮める働きが期待されます。
また、スポーツや重労働、長時間のパソコン作業などによる反復動作による肘周辺の緊張や疲労感の解消にも役立ちます。
主な効果
清冷淵に期待される主な効果は、肘の痛みや熱感の緩和、腕の疲労感の軽減、前腕のだるさの改善、肘の動きの正常化などです。
特に、外側上顆炎(テニス肘)や肘の炎症があるときに、腫れや痛みをしずめながら、冷えや循環不良を整える目的でよく使われます。
また、肘から手にかけて気血が滞りやすい体質の人、冷えやすく疲れやすい人にも効果的とされます。
注意点
清冷淵は、関節や腱の付近にあるため、押すと圧痛を感じやすいことがあります。自己流で強く押しすぎると、かえって不快感や炎症を悪化させるおそれがあります。
セルフケアでは、周囲をやさしくなでるようにマッサージしたり、温熱ケアで緩める方法が安全です。
また、強い腫れや熱感、動かせないほどの痛みがある場合には、速やかに医療機関での診察を優先してください。
日常生活での活用法
清冷淵のセルフケアとしては、ぬるめのお湯や蒸しタオルで前腕から肘の外側にかけて温めることが効果的です。
また、デスクワークや家事の合間に、肘の外側を軽く包むようにして円を描くように指圧することで、肘周囲の疲労をリセットできます。
スポーツ後や荷物を持った後に、清冷淵を含む肘まわりをケアすることで、筋肉疲労の回復や炎症の予防にもつながります。
現代医学からの評価
清冷淵の位置する部位には、外側上顆、上腕骨外側筋群、橈骨神経の枝などが走行しており、ここへの軽い刺激が筋緊張の緩和、神経伝達の安定化、関節の可動域維持に貢献すると考えられています。
鍼灸の臨床では、清冷淵はテニス肘や肘関節炎の治療に頻繁に使われるポイントであり、物理療法や温熱療法と組み合わせて施術されることが多くあります。
東洋医学では、清冷淵は三焦経の流れを肘から前腕にスムーズに通すための関所であり、冷え・熱・腫れといった症状のバランスを整える調整点として重視されています。