【糸竹空】目の疲れと頭の張りを緩める眉端のツボ

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糸竹空(しちくくう)とは
糸竹空は、手の少陽胆経に属する経穴で、眉毛の外端のすぐ外側にあるくぼみに位置します。
「糸竹」は繊細な竹のような眉毛を指し、「空」は空間やくぼみの意味があります。つまり糸竹空とは、眉の端にある空間のようなツボを表しており、目と頭の経気が交差する場所として古くから重要視されてきました。
胆経は側頭部から顔面を経て全身を巡るため、糸竹空は眼精疲労や頭の張り、顔の緊張を調整する入り口といえる存在です。
効果と応用
糸竹空は、目の疲れやかすみ、まぶたのけいれん、頭痛、めまい、顔の筋肉のこわばりなど、目と頭部の間で起こる症状に対して広く用いられます。
特に、パソコンやスマートフォンを長時間使用したあとの眼精疲労、眉間からこめかみにかけての重だるさ、まぶたの違和感などに効果的とされています。
また、顔面神経麻痺や表情の左右差がある場合に、顔面の気血のめぐりを整える目的で糸竹空を中心とした施術が行われることもあります。
主な効果
糸竹空に期待される主な効果は、眼精疲労の緩和、眉間の張りや頭重感の解消、まぶたのけいれんの軽減、顔面神経の調整などです。
とくに、目の奥が疲れている、まぶたがピクピクする、表情がひきつるような感覚があるといった場合に、眉まわりのめぐりを整えることで、局所と全体のバランスが取り戻されます。
また、ストレスや緊張で顔全体がこわばっている時には、糸竹空を含めた顔面のツボを整えることで、表情がやわらぎやすくなります。
注意点
糸竹空は顔の皮膚が非常に薄く繊細な部位にあるため、強く押しすぎたり、長時間圧迫しないよう注意が必要です。
刺激はあくまでも軽く、やさしく触れる程度にとどめ、目のまわりのトラブルや皮膚疾患があるときは避けるようにします。
また、急激な視力の変化やまぶたの麻痺がある場合には、医療機関での診察を優先してください。
日常生活での活用法
糸竹空のセルフケアとしては、眉の外端に人差し指や中指を添えて、軽く円を描くようにマッサージする方法が一般的です。
目が疲れてきたと感じたときや、仕事の合間にリフレッシュしたいときに数十秒間刺激を加えるだけで、目の周囲の緊張がゆるみます。
また、ホットアイマスクや蒸しタオルで眉まわりを含めて温めることで、血流が促進され、目や頭の疲労感がやわらぐ効果も期待できます。
現代医学からの評価
糸竹空が位置する眉まわりには、眼輪筋や浅側頭動脈の枝、顔面神経の枝が分布しており、軽い刺激が筋緊張の緩和や局所の血流改善に寄与すると考えられています。
鍼灸やマッサージでは、眼精疲労、頭痛、顔面神経麻痺の補助療法としてよく用いられ、特に目の酷使による不調に対して効果が報告されています。
東洋医学では、糸竹空は胆経の始まりに位置するツボとして、顔と頭の気の出入口を整える重要なポイントとされており、現代でも日常的なセルフケアに取り入れられています。